2025年5月、国際発達障がい支援協会(理事長:竹内康二)は、中国における特別支援教育の質的向上と日中間の学術的連携を目的として、中国の大学で自閉症教育を専門とする教員2名を日本に招へいし、教育現場での視察と研究者との交流活動を実施しました。
本訪問は、同協会理事であり広島大学大学院人間社会科学研究科准教授の朝岡寛史先生の企画により実現し、視察団の引率は筑波大学人間系研究員・裴虹理事が担当、通訳は同じく理事で筑波大学人間系特任助教の王青童先生が務めました。
今回来日したのは、北京師範大学 教育学部 特殊教育学院の賀荟中(He Huizhong)教授と、温州大学 教育学院 自閉症教育・リハビリセンターの李晓燕(Li Xiaoyan)教授です。訪問交流の主なテーマは、
1.「自閉症児童のインクルーシブ教育の質の向上に向けた日本の経験」
2.「自閉症児童の教育的配置と質的向上に関する研究交流」
の2点に焦点をあてた実践的な視察と意見交換です。
一行は5月12日に来日し、13日には広島大学にて朝岡先生の授業を見学し、研究室で大学院生や研究者と活発な交流を行いました。14日には広島市立広島特別支援学校(校長:西山美香先生)を訪問し、日本の現場における実践的な支援体制や教育内容について視察を行いました。続いて15日には、筑波大学附属久里浜特別支援学校(校長:齋藤先生)を訪問し、学校概要説明、施設見学、質疑応答を通じて、自閉症教育における支援の具体的な取組を学びました。17日には明星大学にて国際発達障がい支援協会理事長・竹内康二教授との研究交流が行われ、今後の国際的連携や共同研究の展望について意見が交わされました。
本視察は、両国の自閉症教育に関する理解と協力を深める貴重な機会となり、今後の日中間の継続的な学術交流の推進が期待されます。