国際発達障がい支援協会、中国にて先進的な支援実践と交流 ─挑戦的研究の一環として中国の特別支援現場を視察・調査─

 

国際発達障がい支援協会は、当協会理事の裴虹氏(筑波大学人間総合科学学術院 研究員)が代表を務める科学研究費助成事業・挑戦的研究(萌芽)「児童発達支援における外国人障害児の支援方法に関する調査研究と事例研究」及び基盤研究B「特別支援教育の専門性を取り入れた放課後等デイサービスでの発達支援プログラムの開発」の一環として、2025年6月に中国浙江省寧波市を訪問し、特別支援教育・療育機関における支援の実態把握と国際的な交流活動を行いました。

今回の訪問には、当協会理事長であり本研究の研究分担者でもある竹内康二氏(明星大学心理学部 教授)、同じく研究分担者である下山真衣理事(信州大学教育学部 准教授)、および研究代表者である裴虹理事の3名が参加し、寧波市特殊教育中心学校および海曙区星夢障碍児療育センターを訪問しました。

寧波市特殊教育中心学校では、聴覚障害、視覚障害、知的障害や自閉スペクトラム症、ダウン症などをもつ児童・生徒が在籍し、授業支援から生活支援、職業教育、家庭との連携まで多岐にわたる包括的支援が行われています。特に、個別最適化された教育カリキュラムの構築と、地域資源との密接な連携体制は、日本における外国人障害児支援に示唆を与えるものでした。

また、海曙区星夢障碍児療育センターでは、未就学の障害児を対象とした早期療育の取組や家族支援の実際、文化的・言語的背景をふまえた個別支援の工夫が紹介され、理論と実践をつなぐ貴重な知見が得られました。竹内理事長と下山理事は、支援現場の教員や療育スタッフと活発な意見交換を行い、実際の教材・教具や行動支援手法、支援計画の作成プロセスなどについても詳細な調査を行いました。

今回の国際視察を通じて得られた知見は、外国にルーツをもつ障害児への日本国内での発達支援をより文化的・言語的に適合させるための基盤資料となります。今後は、現地の支援実践との比較研究を進めながら、支援モデルの開発と政策提言に取り組んでいく予定です。

裴理事は、「異なる文化圏における障害児支援の実際に触れ、改めて多様性に応じた支援の重要性を実感した。研究成果を日中双方に還元していきたい」と語っています。

国際発達障がい支援協会は、今後も国境を越えた協働と学びを通じて、多様な背景をもつ子どもたち一人ひとりに寄り添う支援のあり方を探求し、発達支援の質の向上に寄与してまいります。

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